医療・介護現場の人材育成はOJTが不可欠です。しかし、人員不足の現場では、基本的なOJT指導法を学ぶこともないままOJT指導者を任され、手探りで指導をしているケースが多くあります。このような状況では、OJTの成果はあまり上がらず、OJT指導者にとって新入職員の指導が大きなストレスとなりメンタル不調になるケースもあります。また、同じ組織でも指導者によって指導の内容や方法が違うことにより若手職員が不安や不満を感じ、メンタル不調や離職するケースもあります。そのため、新入職員を育成するためのOJT指導者研修は、新入職員の受け入れ準備としてとても重要です。
OJT指導者研修で押さえておきたいポイントについてシリーズで書いていきたいと思います。今回は、「報・連・相」です。
「報・連・相」は組織のコミュニケーションの根幹で、医療・介護現場では、チームワークやリスクマネジメントにおいて重要な要素です。しかし、「どうしてもっと早く報告してくれなかったの??」「一言相談してくれれば良かったのに・・・」ということが指導の場面で起こります。
新入職員が「報・連・相」ができない原因は、以下のことが考えられます。
1.「報・連・相」の仕方がわからない
2.新入職員が「報・連・相」ができない環境
OJT指導者は、このことを理解して新入職員の指導方法を考える必要があります。新入職員からの「報・連・相」に対するOJT指導者の対応が、「報・連・相」ができない環境を作り出していることが多々あります。
新入職員が「報・連・相」をしなくなる6つの要素があります。
1.指示の仕方があいまい
2.指導されることに一貫性がない
3.相談しても明確な答えが返ってこない
4.関心を持って話を聞いてくれない
5.失敗した時に責められる
6.すぐ感情的になる
OJT指導者が上記の6つの要素を心に留めながら新入職員の指導を行うことで指導の効果が見られるようになると思います。
(株式会社Leap 研修事業部長 関弘子)
Leapの研修
●「Leap」では組織と個々のパフォーマンスが活性化するための人材育成をめざし、医療・介護・福祉現場で必要な「マインド」と「スキル」の向上めざした研修を行います。
●机上での学びでなく、実践できる学びを重視し、現場経験が豊富な講師が事例をもとに参加型の研修を通して、自ら考え動ける人材の育成をめざします。